デジタルマイクロスコープは、観察対象物を単レンズあるいは対物レンズと接眼レンズで拡大して目で観察する各種の光学顕微鏡とは異なり、被写体情報を画像素子で捕らえ(デジタルデータに変換)、液晶モニタ上で観察する次世代の顕微鏡になります。観察対象物に対して連続的に焦点を変化させた複数の画像を取得して合成することで、自動でフルフォーカス画像(全焦点画像)の取得を実現しています。このような特徴から、凹凸がある複雑な構造の被写体であってもマクロからミクロ領域に至るまで3Dで迅速に対象物を観察することが可能であり、かつデジタル情報から側長や輪郭形状、そして断面形状も子細に把握することができます(FIGURE1;基盤の3D計測)。
弊社が導入したキーエンス製VHX-7000は4K CMOSの採用により、従来のデジタルマイクロスコープ画像(UXGA映像)の6倍(約1222万画素)となる最高解像度を有し、また4K画質に対応した光学性能の限界に迫る高分解能HRレンズの搭載で、より低ノイズで深い被写界深度と高分解能を両立させており、ありのままの子細な観察情報の提供が可能です(FIGURE2;黄銅脱亜鉛腐食)。
明視野、暗視野、偏光(FIGURE3;残留応力)、微分干渉(FIGURE4;ガラス面の傷)など多彩な観察方法 に加えて、マルチライティング機能(全方位の照明データを自動で取得)により、球状の被写体でも白 とびが無い微細画像の取得が可能となりました(FIGURE5;ボタン電池)。これまで見えづらかった物を より鮮明に観察することは、製品中の異物、製品故障、不具合、そして品質管理や研究分野における多 くのシチュエーションにおいて、問題解決や新たな発見に繋がるものと考えます。微小物の観察や計測 に関しましては弊社にご相談ください。
FIGURE3 Residual stress
FIGURE4 Scratched glass
FIGURE5 Coin battery